日本語でパソコン通信を開始するにはいくつか前提条件があります。
この条件を満たしていない人は、まずこのような環境を整える必要があります。
BBS にアクセスする時に問題になるのが、ホストが扱う文字コードと 自分の PC で扱う文字コードの相違です。Linux を含む UNIX システムでは、 シフト JIS だけでなく JIS コードや EUC コードも一般的に使われます。 むしろ JIS や EUC の方が一般的とも言えます。
このため、Linux で稼働する日本語表示用のソフトウェアも、標準では文字が JIS や EUC コードであると解釈するように設定されているかもしれません。 この状態で、シフト JIS コードが標準の BBS に接続すると、シフト JIS コードの文字はそれが漢字や仮名などの 2 バイト文字であるとは解釈されず、 Linux 上では「化けて」読めません。BBS ホストが使用する文字コードと 自分の PC の日本語表示用ソフトウェアが解釈できる文字コードを 通信ソフト内で設定できれば、通信ソフトが入力と出力の際に内部で 自動的に文字コードを変換するので、うまく対処できます。しかし、 通信ソフトが複数の文字コードに対応していなければ、2 バイト文字の 表示を扱う kon や kterm 側の設定で日本語の文字を正しく表示できるように 対処しなければなりません。
ここで特に扱うのは /usr/local/lib/kon.cfg
ファイルの中の文字
コードの設定項目です。このファイルの終り近くに
SjisKanji:
という行がありますので、この次の行が「Off」に設定されていれば「On」に 変更します。こうすると、コンソールでシフト JIS コードを扱うことが 可能になります。これが Off の状態では JIS コードと EUC コードだけが 正しく表示され、シフト JIS コードは「化け」ます。
この変更は、BBS のホストが入出力する文字コードがあくまでも シフト JIS であるということを前提にします。しかし、後にも 述べるように、ホストが EUC コードなどで文字を入出力する時には この変更は不要です。
その他の設定については kon のマニュアルを参照してください。
X11 上で動作する kterm で文字コードを指定するには、起動時に
「-km
<文字コード>」というオプションを使います。例えば kterm 内で
シフト JIS コードを使って入出力する時には次のように指定します。
kterm -km sjis ....その他のオプション....
詳しいことは kterm のマニュアルを参照してください。重要なのは、 kterm が扱う文字コードと BBS のホストが扱う文字コードを 一致させることです。
NIFTY-Serve では、ログイン時、通常は「SVC」と入力する所を 「SVC/EUC」と入力することにより、ホストが EUC コードで文字を 入出力します。こうしてログインする時には、kon や kterm が扱う 文字コードは EUC でなければなりません。
kon では上で述べた設定を「OFF」にし、kterm ではオプションで
「-km sjis
」と指定する部分を「-km euc
」に変更します。
これで、いずれのソフトウェアも EUC コードを正しく表示できます。
繰り返しますが、重要なのは、kon や kterm が扱う文字コードと BBS のホスト
が扱う文字コードを一致させることです。どの文字コードが優れている
という事ではありません。