バージョン 0.9.6 以降の JE はそれ以前と異なり、パッケージをフロッピディ スクに収まるサイズに振り分けていません。パッケージは関連したもので分けら れているだけであり、この分け方はインストールの際には全く意味を持っていま せん。この分けられたディレクトリは従来と同様にディスクセットと呼ぶことに します。この構成はハードディスクや CD-ROM などを念頭に組んであるものです。 フロッピディスクからインストールする場合はフロッピディスクからのインス トール手順にしたがってディスクを作成する必要があります。
<JE> ---+--- install | JE のインストーラ ezinst と日本語コンソール KON | およびそのフォントが入っています。 | +--- packages | バイナリパッケージが入っています。 | +--- sources | ソースパッケージが入っています。 | +--- accessories | 書籍からの提供ソフトウェア、サンプルなどが | 入っています。 | +--- NON_COMMERCIAL_USE_ONLY 非営利/非販売のパッケージが入っています。 配付やメディア変更に対して課金されるような配付形態 をとる場合はこのディレクトリ以下は配付対象に含めて はいけません。 |
※ 再配付の際はこの構成を崩さないようにしてください。崩した場合、発生 する問題についてはその原因に関わらず、崩した構成で配布した当事者の責任 で対応していただくことになります。ただし、NON_COMMERCIAL_USE_ONLY ディ レクトリについては例外です。
JE のインストールには専用のインストーラである ezinst を使うようになっております。また、ezinst のインストールには install ディレクトリにある jeinst.sh スクリプトを御利用下さい。
バージョン 0.9.7 以降は ELF 環境用になっています。したがって、ELF バ イナリが実行できるシステムでなければなりません。具体的には、Slackware バージョン 3.0、RedHat バージョン 2.0 などが必要です。また、バージョン 0.9.7 では libc のバージョンとして 5.0.9 を使っています。これ以前はもち ろん、これ以降のバージョンでも期待通りに動作するかどうかはわかりません。
ezinst は install ディレクトリに 入っています。フロッピディスクからインストールする場合は install ディスクから mcopy コマンドを使ってコピーしま す。
# mkdir install; cd install # mcopy a:"*.*" . |
後は jeinst.sh スクリプトを使ってインストールして下さい。
# sh jeinst.sh |
konbin.tgz, konfnt.tgz は VGA や DCGA などの画面上に 日本語表示するためのプログラムです。ezinst は基本的に 日本語でメッセージを表示しますので KON が必要になります。jkeytbls.tgz は日本人向け(?)のキーマップです。Linux バー ジョン 1.1.54 以降で利用できる日本語 106 キーマップ等が入っています。
例 1) Caps と 左 Ctrl の入れ換え # loadkeys defkeymap cl2c-d 例 2) 日本語 106 キー # loadkeys defkeymap j106-d 例 3) 日本語 106 キーかつ、Caps と 左 Ctrl を交換 # loadkeys defkeymap j106-d cl2c-d 例 4) 日本語 106 キーかつ、半角/全角キーを ESC キーに # loadkeys defkeymap j106-d k2esc-d |
気に入れば /etc/rc.d/rc.local ファイルに書いておいて 下さい。以後は起動時に自動的に読み込まれるようになります。
ezinst でメッセージを日本語で表示させたい場合は KON を 起動するか、J3100SX では「漢字コンソール」を利用してください。また、J3100SX で KON を用いる場合は
# kon j3100sx |
として下さい。
ezinst はフロッピディスク以外からのインストールでは マウント等を自動的に行ないません。つまり、ハードディスクの別パーティション あるいは CD-ROM 等に JE の配付キットが入っている場合はまずそれをマウント してください。例えば、CD-ROM ならば
# mount -rt iso9660 /dev/cdrom /mnt |
のようにします。/dev/cdrom は Slackware のインストールで CD-ROM の設定を行なった場合にのみ有効です。そうでない場合は以下を参考にして デバイス名を指定して下さい:
/dev/hdb : ATAPI CD-ROM (プライマリ IDE のスレーブ) /dev/hdc : ATAPI CD-ROM (セカンダリ IDE のマスター) /dev/hdd : ATAPI CD-ROM (セカンダリ IDE のスレーブ) /dev/scd0 : SCSI CD-ROM /dev/mcd : ミツミ CD-ROM /dev/sbpcd : SB CD-ROM /dev/sonycd: SONY CD-ROM 等など |
次に packages ディレクトリに移っておきます。例えばこの CD-ROM の JE ディレクトリに JE 配付キットが入っているとすると、
# cd /mnt/JE/packages |
としておきます。
ezinst の起動には -j もしくは -e のオプションをつけます。
# /sbin/ezinst -j |
と起動すれば日本語のメッセージで動作し、
# /bin/ezinst -e |
ezinst はなるべくプログラムが動いていない状態で実行して 下さい。例えば、X 上の kterm から実行するのではなく、KON の上から実行するよう にしてください。
ezinst によるインストールの手順は、
インストールするパッケージの選択
実際のインストール
となっています。最初に全ての指定を行いますので、空いている時間にお茶でも 飲んでいて下さい。メニュー上では次のような項目をたどります。
(0) 起動メッセージ 起動時に次のような歓迎メッセージが表示されます。EZinst のバージョ ンの後に rule バージョンが表示されるようになっています。この例では rule バージョンは 005 です。rule バージョンは JE のマイナーバージョ ンとしての意味もありますので、バグレポート等の際にはこの rule バー ジョンも示していただければより状況を把握しやすくなります。また、 rule バージョンが 999 になると、正常に動作していません。 メッセージが読み終ったら何かキーを叩いて下さい。 ┏<EZinst version 3.20 rule 005>━━━━━━━━━┓ ┃Linux/JE の世界へようこそ!! ┃ ┃ ┃ ┃このソフトウェアは無保証です。 ┃ ┃これはフリーソフトウェアであり、配付条件に従って┃ ┃自由に配付してくださって構いません。詳しくは ┃ ┃/usr/doc/00READMES/COPYINGファイルを御覧下さい。┃ ┗━━━━━━━━━━━━(何かキーを押して下さい)┛ (1a) パッケージ選択メニュー メインメニューは次のようになっています。この中からまずパッケージ 選択を行ないます。メニューを操作するにはカーソルキーで上下するか、 Ctrl キーを押しながら p または n を叩きます(以後、CTRL+<p> あるいは CTRL+<n> と書くことにします)。カーソルを移動してリターンキーを叩く とその項目が実行されます。また、各項目の頭に書かれている文字のキー を叩くだけでその項目がすぐに実行されます。 ┏<メインメニュー>━┓ ┃パッケージ選択 (p)┃ ┃インストール (i)┃ ┃終了 (q)┃ ┗━━━━━━━━━┛ パッケージ選択とは、JE からどのパッケージをインストールするかを指 定することです。この方法には 4 種類あります。いずれの方法でもスペー スキーで選択し、BS キーまたはリターンキーで終了します。 ┏━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━ 110 [KB]━┓ ┃[ ] twmu2xt 1050┃日本語を Linux で扱う上で必要となる,様々な基 ┃ ┃[ ] tscmu2xt 1020┃本的なツール類のパッケージです. ┃ ┃[ ] twcmu2xt 1080┃● lha ┃ ┃[ ] tvmu2xt 1320┃効率の高い圧縮機能を持つファイルアーカイバで ┃ ┃[ ] cjvim 230┃す.複数のファイルに圧縮をかけ,一つのファイ ┃ ┃[ ] wjvim 320┃ルにパックするこが出来ます.また,DOS,Mac用の ┃ ┃[ ] jvimdoc 310┃LHa とデータの互換性があるため,これらの LHa ┃ ┃[ ] jbase 450┃とデータをやりとりすることも出来ます. ┃ ┃[O] dic 80┃● nkf ┃ ┃[ ] jtcsh 240┃ネットワークでメールやニュースの読み書きをす ┃ ┃[O] jman 30┃るために作られた,漢字コードの変換用フィルタ ┃ ┃[ ] jelvis 160┃です.UNIX 系の OS では,EUC,Shift-JIS,JIS ┃ ┃[ ] jcawf 90┃という3種類の漢字コードが主に使われておりま ┃ ┃[ ] jperlbin 690┃すが,このプログラムを使うことにより,自動で ┃ ┃[ ] jperllib 120┃入力された漢字コードを判定し,任意の漢字コー ┃ ┃[ ] jperlman 210┃ドへ自由に変換することが出来ます. ┃ ┃[ ] less 150┃● more ┃ ┃[ ] ng 210┃日本語対応 more.長いテキストファイルを,一画 ┃ ┃[ ] pl2bin 120┃面づつ分割して表示するプログラムです. ┃ ┃[ ] pl2doc 840┃● gawk ┃ ┃[ ] prutil 110┃日本語の使用可能な GNU AWK です.AWKとは, ┃ ┃[ ] recjis 1160┃ファイル中の特定のパターンを検索し,抽出され ┃ ┗━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━(BS: 戻ります)┛ 左側の窓には 1 行毎にパッケージ(あるいはリスト)の選択状況と名前、 サイズが表示されます。選択状況は [ ] があるものが選択可で、[O] となっ ているものは選択されたもの、[ ] も無いものは選択不可能なものです。 右側の窓には上枠に選択されたパッケージのインストール後の総容量が 表示されます。窓の中には現在カーソルが置かれているパッケージの説明 文です。1 画面に表示仕切れない場合は左右のカーソルキーでスクロール します。 (1a.1) ナヴィゲータ いくつかの質問に答えていただくとなるべく要望にあったパッケージ選 択を自動的に行なってくれます。 (β版注) まだありません。 (1a.2) パッケージリスト パッケージ単位ではなく、すでに選択された結果を記録したファイル(パッ ケージリスト)を読み込みます。 (1a.3) ルール ルールに従うことによりなるべく少ない選択件数で必要なパッケージを 矛盾のないように選択します。例えば Canna をインストールするのならば 必要最小限のパッケージとして辞書やツールがあります。ルールを用いれ ばこれらのパッケージは自動的に選択されます。ルールに従わない選択は 強制的に変更されますので、マニュアルなどで選択した後にルール選択を 行なわないで下さい。 (1a.4) マニュアル すべての選択を手動で行ないます。ルールはごく一般的な状況しか想定 していませんので逆に細かな選択ができません。ナヴィゲータやリスト、 ルールによるパッケージ選択後にマニュアルでもう一度確認すれば無駄無 く、環境にあった選択ができるでしょう。 (1b) 選択内容の初期化 選択していて、もう一度やり直したい場合に初期化して下さい。選択内 容がすべてクリアされます。 (1c) パッケージ選択の終了 パッケージ選択メニューで戻るを実行すると終了します。 (2) インストールメニュー パッケージ選択が終ったらインストールメニューを実行できるようにな ります。 (2a) パッケージの確認 どのパッケージを選択したのか確認したい場合に実行して下さい。 (2b) インストール開始 この項目を実行するだけでインストールが始まります。画面の上部に表 示される窓にはどこまでインストールできたかをバーとパーセントで表示 しています。また、それ以下の部分では実際に何を行なっているかが表示 されます。エラーとかもここに表示されます。 インストールが終ると上の窓に「何かキーを押して下さい」というメッ セージが表示されます。 (2c) インストール中にエラーが発生すると インストール中にエラーが発生すると、そのパッケージはインストール されていないことになります。このようにインストールに失敗したパッケー ジが一つでもあるとインストール後に確認メッセージが表示されます。確 認メッセージに対して y と答えると失敗したパッケージをリストに登録す るモードに入ります。このモードでの操作については (3a) を御覧下さい。 (3) 終了 メインメニューで終了を実行すると ezinst は終了します。ただし、パッ ケージ選択を行なった場合はそのパッケージリストを作るように勧めてき ます。メッセージに対して y と答えるとリスト登録モードに入ります。 (3a) リスト登録モード リストは /var/adm/ezinst/Lists ディレクトリに保存されます。リスト のファイル名はタイムスタンプを元に勝手に付けられます。普通のパッケー ジリストならば .lst、インストールに失敗したパッケージのリストならば .yet という拡張子がつきます。リストにはコメントを書き込むことができ ます。コメントは 1 行 45 文字位を目安にしてください。リターンキーは 改行の意味になりますので何行でも入力できます。入力を終りたいときは 何も入力せずに(つまり、空行のまま)そのままリターンキーを叩いてくだ さい。 このリストは後でパッケージ選択のパッケージリストから選択すること ができます。この時に右側の窓に表示されるのが入力したコメントです。 |